過去の施術についての知識をまとめています。
今回の事は「捻挫」です。
捻挫とは?
関節が不自然な外力により生理的な可動範囲を超えるような動きを強制された時に発生する、代表的な外傷が捻挫や脱臼だっきゅうです。
このうち関節を構成している相互の骨と骨の間にずれのないものを捻挫といい、多少なりともずれが生じたものを脱臼あるいは亜脱臼あだっきゅうといいます。
捻挫を最も起こしやすい関節は足関節そくかんせつですが、人の体のなかには一般の人の想像をはるかに超える多数の関節があります。四肢の関節のなかにも肩、膝ひざ、足など、誰もが関節と認識する関節のほかに、動きが小さいために目立たない関節が多数ありますし、背骨を構成する一つひとつの椎骨ついこつの間にもすべて関節があるのです。
これらの関節がずれないように骨と骨の間をつなぎ止め、さらに関節の動きをコントロールする非常に重要な組織が靭帯じんたいです。そして、大半の関節は複数の靭帯でいろいろな方向から支えられているのです。
捻挫の重傷度を左右するのは、これらの靭帯の損傷の程度です。靭帯は受けた外力の大きさや方向によって、伸びたり切れたりします。
最も軽いのは靭帯を構成する線維のほんの一部が切れたり伸びたりするものですが、複数の靭帯が完全に断裂するような重いものもあります。ただし、このような重傷例は靭帯が断裂する際に必ず関節のずれを伴うので、厳密には捻挫とはいえず、○○靭帯損傷という具体的な外傷名がつけられるのが一般的です。
すなわち、捻挫とは断裂にまでは至らない程度の靭帯損傷が主病態になった外傷で、しかも骨折は伴わないものと理解するのが一般的です